脳障害児の在宅介護

 

小児脳障害の症状と原因

 小児脳障害は、臨床中によくみられる脳性マヒのことである。多くは難産による酸素欠乏で脳が窒息状態になったために起こる。また早産その他の原因により脳が発育不良となり、けいれん、ひきつけ、自閉症、脳中毒後遺症、脳萎縮、脳梁発育不良、知能低下などの症状を起こす。

 酸素欠乏性脳性マヒ後遺症、脳発育不良、脳萎縮、脳梁発育不良などの有無にかかわらず、また機能性脳障害、器質性脳障害の有無にかかわらず、臨床上の症状はそれぞれに違いがあっても、病気を起こす共通の特徴があり、原因は殆ど同じである。

 つまり、脳が受けたさまざまな損傷によって、児童の正常な発育が妨げられ、肢体の運動機能、言語表現能力、聴力、理解力、視覚反射能力、知能などいろいろな障害が生じてくる。それゆえ、点穴療法の治療においては、これらを総称して「小児脳障害」という。このような症状を持つ子供をここで「脳障害児」と称する。

 

現在西洋医学において、「小児脳障害」に対する有効な治療方法が乏しい。脳障害児の多くは在宅介護の形で成長していくため、家族(保護者)によるリハビリテーションおよび家庭でもできる手技療法を用いる治療は重要である。

 

馬氏点穴療法による脳障害児の治療

馬氏点穴療法は、脳障害児の家族でも気軽に使える安全な治療法であり、脳障害児の健康回復に役に立つ。馬建民先生は、馬氏点穴療法による脳障害児の治療とリハビリに関する経験を本にまとめて、エンタプライズ社出版により日本で出版された。この本は脳障害児を持つ保護者に役に立つものと信じており、そのなかの重要なポイントを以下のように説明する。馬氏点穴療法の詳細とそれによる治療の症例は、「馬氏点穴療法−小児脳神経障害治療の実際」(エンタプライズ社出版)にご参照ください。

 

馬氏点穴療法の施術要領

馬氏点穴療法による施術の要領は、「補腎・安神・活血・健脾」という八つの文字で総括できる。

「補腎」:中国医学(東洋医学)では、脳は腎(腎臓ではなく、腎臓を含む腎という系統のこと)に属しており、「腎為先天之本」であるから、脳病の治療は腎を補う(補腎)のが基本である。

「安神」:精神を安定させる。

「活血」:血の巡りをよくする。

健脾」:消化を増強する。

点穴による治療においては、上述の原則の下に、患者の症状の程度によって、施術する経穴を選択し、適切な手法を行えばよい効果が得られる。

 

知能開発のポイント

日本語にも中国語にも、「聡明」という頭のよさを表現する言葉がある。「聡明」の「聡」は耳利き、つまり聴力のことを指し、また、「明」は目の働きである。つまり、知能が発達かどうか、目と耳の働きに密接に関係している。そのため、点穴の施術において、目と耳の働きをよくする経穴(ツボ)を加えるべきである。また、リハビリテーションにおいても、目と耳の訓練を取り入れれば、よりよい知能開発の効果が得られる。